CB400SFがある風景 #8


秋の澄みきった青空が広がる午後、ユウタはホンダのCB400SFに跨り、久しぶりのツーリングに出かけていた。軽やかなエンジン音が風に乗って、郊外の道を走る。今日は特に目的地を決めず、ただのんびりと景色を楽しむつもりだった。新幹線の線路沿いにある道が、ふと彼の目に留まる。

バイクを走らせながら、彼は遠くに見える新幹線が通り過ぎるのをちらりと見た。ふと、新幹線とバイクのツーショットを写真に収めたいと思い、少し先に広がる空き地でバイクを停める。そこには先日の雨でできた大きな水たまりがあり、青空がその水面に反射していた。これは絶好の撮影スポットだ、とユウタは心が躍る。

バッグから取り出したのは、愛用のソニーα7IV。今日はズームレンズをつけてきたので、新幹線とバイクを一緒に写しこめるベストなアングルを探しながら、構図を考え始めた。線路沿いの道とバイク、そして水たまりに映る青空と雲。完璧な瞬間を狙うため、ファインダーを覗きながら新幹線が来るのを待つ。

やがて、遠くから低く響く音が聞こえてきた。新幹線が近づいてくる音だ。ユウタは素早くカメラを構え、バイクと新幹線がフレームに収まるタイミングを見計らった。心地よい緊張感が走り、彼の指はシャッターにかかっている。

「今だ!」と心の中で叫びながら、ユウタはシャッターを切った。

カシャッと心地よい音が響き、彼は一瞬の景色をカメラに収めた。画面には、CB400SFのバイクが水たまり越しに映し出され、その背後を高速で駆け抜ける新幹線が写っている。青空と白い雲が水たまりに映り込み、まるで空の中で新幹線とバイクが並んで走っているかのような幻想的な光景が広がっていた。

ユウタはカメラを確認し、満足そうに笑みを浮かべた。まさに狙っていた通りの一枚だ。新幹線のスピード感とバイクの存在感、そして自然の美しさが全て詰まった写真になっていた。

しばらくその場で余韻に浸りながら、ユウタは再びバイクに跨がった。新幹線の音が遠ざかり、静けさが戻ると、秋の空気がさらに澄んでいるように感じられた。エンジンをかけ、彼はバイクを走らせる。今日という日、そしてこの瞬間が、彼の心に深く刻まれることだろう。

バイクと新幹線のスピードを感じたひととき。青空の下、ユウタはその瞬間を心に留めながら、再び道へと戻っていった。

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何時かの一曲
Shout At The Devil '97 - Mötley Crüe

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