CB400SFがある風景 #7


秋の澄んだ青空が広がる午後、ユウタは愛車のホンダCB400SFにまたがり、田んぼ沿いの道を走っていた。4気筒エンジンの心地よい排気音が、風と共に静かな田舎道に響いている。彼のヘルメットの中にこもるその音は、柔らかくリズムを刻みながら、まるで彼とバイクが一体となって風を切っているような感覚を与えていた。

彼岸花が道の脇に咲き誇り、赤い花々が黄金色に輝く稲穂と美しいコントラストを描いていた。秋の風が吹き抜ける中、ユウタはふとバイクを停め、景色を眺めることにした。

バイクを降りると、手に持っていたソニーα7IVを取り出し、レンズはFE28mm F2の単焦点。秋の空気の透明感と、彼岸花の鮮やかな赤色を切り取るのに、このレンズがぴったりだと彼は思った。彼は慣れた手つきで設定を調整し、彼岸花にピントを合わせながら、少し低い角度からシャッターを切った。

「カシャッ!」シャッター音が響く。秋の風景とバイク、その前景に咲く彼岸花。青空の下、少しずつ流れていく白い雲が、柔らかな背景となってフレームを完成させてくれた。単焦点レンズならではのクリアな描写が、秋の光をたっぷり含んだ風景をそのまま映し出している。

ユウタは何度もシャッターを切りながら、愛車と景色を一緒に収めた。彼にとって、バイクと共に過ごす時間は特別なものだった。それは自由を感じられる瞬間であり、ただ風を感じ、自然と一体となる感覚を味わえる贅沢なひととき。彼岸花の赤と青空のコントラストが、今日という日をさらに特別なものにしてくれた。

再びバイクに跨ると、CB400SFのエンジン音が再び低く唸りを上げる。ユウタは少しアクセルをひねり、バイクを走らせ始めた。彼岸花の赤い花々が、彼の背後で小さくなっていく。それでも、あの心地よい排気音が彼の心を落ち着かせ、秋の風を味わいながら、バイクでの旅を続ける準備が整っていた。

青空と雲、彼岸花とバイク。そしてシャッター音の余韻が残る一瞬一瞬が、彼の中で静かに広がっていった。「また、この景色を撮りたい」と心の中で思いながら、ユウタは再びアクセルを踏み込み、次の道へと進んでいった。

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何時かの一曲
Jack Johnson - Taylor

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