CB400SFがある風景 #4

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9月の終わり、夏の名残がまだ残る蒸し暑い日。陽射しは和らぎつつあるものの、昼間はまだ残暑が厳しい。ユウスケは、久しぶりに愛車のホンダCB400SFにまたがり、風を感じながら郊外の道を走っていた。

ユウスケにとって、バイクに乗るのは気分転換であり、自分自身と向き合う時間でもあった。エンジン音のリズムに耳を傾け、ハンドルを握る感触が手に伝わると、自然と心が落ち着いてくる。この日は特に理由もなく、ただ走りたくて、彼はバイクを引っ張り出してきた。

道を進んでいくと、彼の前方に見慣れた鉄道の車両基地が現れた。そこには車両が整然と並んでいて、どこか都会の喧騒から離れた静けさを感じさせる場所だった。彼はよくこのあたりを通り、基地の上を渡る橋から電車を眺めるのが好きだった。電車が走り去る音や、その整備される姿には、どこか特別な魅力があった。

橋の手前に差しかかると、ユウスケはバイクのスピードを緩め、ゆっくりと橋の上にバイクを停めた。下を見ると、車両基地が広がり、作業員たちが電車の整備をしている様子が見えた。電車の車体は午後の陽射しを受けてきらりと光り、夏の名残を感じさせる空の下で、その静かな風景が広がっていた。

「こんな場所でひと息つくのも悪くないな…」ユウスケはヘルメットを外し、額に滲んだ汗を手で拭った。強い陽射しを避けるため、橋の手すりの陰に立ち、しばらく遠くの空を見上げた。まだ夏の名残を感じさせる暑さだったが、風は少しずつ秋を告げる涼しさを帯びていた。

橋の下を電車がゆっくりと走り出し、その音が静かに彼の耳に届いた。電車がゆっくりと動き始めると、その動きに合わせて車両基地の風景が少しずつ変わっていく。電車が次の場所に向かうように、彼もまた次の行き先を見つけたくなった。

「さあ、もう少し走ろうか。」ユウスケはヘルメットをかぶり直し、エンジンを再びかけた。CB400SFの低いエンジン音が響き、バイクが滑らかに動き出す。彼はアクセルをひねり、風を切る感覚を楽しみながら橋を渡り始めた。

空は少しずつ夕焼けに染まり始め、残暑の中にもどこか秋の気配が混じり始めていた。ユウスケはバイクを走らせながら、季節の移ろいを感じつつ、また新しい風景を探しに、次の道へと向かっていった。

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何時かの一曲
Van Halen - Top Of The World

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